ファミリービジネスにおける新規事業創造支援
ファミリービジネスにおいて、新規事業創造が必要な理由
経営環境の変化への対応
国内市場の成長鈍化やグローバル競争の激化、コーポレートガバナンス改革やDX対応など、ファミリービジネスを取り巻く外的要因は多岐にわたります。これらの変化に適応し、持続的な成長を目指すためには、既存事業に固執せず、新たな市場や顧客ニーズを探求し、革新的な製品やサービスを提供することが求められます。
一族の理念や価値観の継承
ファミリービジネスの強みの一つは、創業者の理念や一族の価値観が経営理念や戦略に反映されることです。しかし、世代が進むにつれて、これらの理念や価値観が希薄化したり、時代に合わなくなったりする危険性があります。そのため、一族がどのような社会課題を解決するために起業し、継続的に所有できたのかを見直し、新規事業創造を通じて一族の使命感や絆を再確認することが重要です。
次世代への承継円滑化
ファミリービジネスでは、事業承継は一族の永続化にとって最大の課題です。しかし、後継者が既存事業に興味を持たなかったり、能力や経験が不足していたりする場合もあります。そのような場合には、新規事業創造を通じて後継者の意欲や能力を育成し、一族事業への参画を促すことができます。
ファミリービジネスにおいて新規事業創造は必要不可欠な経営課題です。しかし、新規事業創造は容易なことではありません。ファミリービジネスは伝統や家族関係によって保守的で変化に抵抗感を持つ傾向があるからです。そのため、新規事業創造に取り組む際には、一族内で共通のビジョンや目標を設定し、ファミリーガバナンスやコーポレートガバナンスを整備し、外部の専門家やパートナーと協力することが大切です。
新規事業創造に必要な要素
イノベーション
新規事業創造は、既存の市場や顧客ニーズにとらわれず、新たな価値やソリューションを提供することです。そのため、イノベーションは新規事業創造の核となる要素です。ファミリービジネスは、一族の理念や価値観を基に、長期的な視点でイノベーションを推進することができます 。
リーダーシップ
新規事業創造は、高いリスクや不確実性を伴うことが多く、組織やステークホルダーの支持や協力を得ることが重要です。そのため、リーダーシップは新規事業創造の成功に欠かせない要素です。ファミリービジネスは、一族のカリスマや権威を活用して、新規事業に対するビジョンや目標を明確に伝え、組織やステークホルダーのコミットメントを高めることができます 。
チームワーク
新規事業創造は、多様な知識やスキル、経験を持つメンバーが協力して行うことが望ましいです。そのため、チームワークは新規事業創造の効率や品質を向上させる要素です。ファミリービジネスは、一族の絆や信頼感を基に、メンバー間のコミュニケーションや協調性を高めることができます 。
柔軟性
新規事業創造は、市場や顧客ニーズの変化に応じて、製品やサービスの改善や変更を行う必要があります。そのため、柔軟性は新規事業創造の適応力や競争力を強化する要素です。ファミリービジネスは、一族の意思決定や執行力を活用して、迅速かつ柔軟に新規事業の変更や修正を行うことができます 。
外部連携
新規事業創造は、自社だけではカバーできない資源や能力を外部から取り入れることが有効です。そのため、外部連携は新規事業創造の可能性や拡大性を高める要素です。ファミリービジネスは、一族の信用力やブランド力を活用して、外部の専門家やパートナーとの協力関係を構築することができます 。
以上のように、イノベーション、リーダーシップ、チームワーク、柔軟性、外部連携は、ファミリービジネスにおける新規事業創造に必要な要素です。これらの要素をバランスよく組み合わせることで、ファミリービジネスは新規事業創造において独自の強みを発揮することができます 。
ファミリービジネスにおける新規事業創造の特徴
ファミリービジネスと非ファミリービジネスの新規事業創出の違いを上記の5つの視点で比較し、表形式で説明すると以下のようになります。
※横にスクロールできます。
要素 | ファミリービジネス | 非ファミリービジネス |
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イノベーション | 一族の理念や価値観を基に、長期的な視点でイノベーションを推進することができる。しかし、既存事業に固執したり、保守的な姿勢に陥ったりする危険性がある。 | 市場や顧客ニーズに応じて、短期的な視点でイノベーションを推進することができる。しかし、利益や株主価値に偏重したり、経営者の交代によって方針が変わったりする危険性がある。 |
リーダーシップ | 一族のカリスマや権威を活用して、新規事業に対するビジョンや目標を明確に伝え、組織やステークホルダーのコミットメントを高めることができる。しかし、後継者の育成や選定に問題が生じたり、一族間の対立や確執が起きたりする危険性がある。 | 経営者の能力や経験を活用して、新規事業に対するビジョンや目標を明確に伝え、組織やステークホルダーのコミットメントを高めることができる。しかし、経営者の交代や退任によってリーダーシップが失われたり、組織内の政治的な動きに巻き込まれたりする危険性がある。 |
チームワーク | 一族の絆や信頼感を基に、メンバー間のコミュニケーションや協調性を高めることができる。しかし、一族以外のメンバーの参画や評価に偏見が生じたり、メンバーの多様性や専門性が欠けたりする危険性がある。 | 組織の文化や制度を基に、メンバー間のコミュニケーションや協調性を高めることができる。しかし、メンバーの入れ替わりや離職率が高かったり、メンバー間の競争や対立が激しかったりする危険性がある。 |
柔軟性 | 一族の意思決定や執行力を活用して、迅速かつ柔軟に新規事業の変更や修正を行うことができる。しかし、一族内で意見が分かれたり、外部からのフィードバックを受け入れなかったりする危険性がある。 | 組織のプロセスやルールを活用して、迅速かつ柔軟に新規事業の変更や修正を行うことができる。しかし、組織の慣習や構造によって変化に抵抗感を持ったり、外部からの圧力に屈したりする危険性がある。 |
外部連携 | 一族の信用力やブランド力を活用して、外部の専門家やパートナーとの協力関係を構築することができる。しかし、外部からの干渉や依存を嫌ったり、内部の情報やノウハウを守りたりする危険性がある。 | 組織の規模や資本力を活用して、外部の専門家やパートナーとの協力関係を構築することができる。しかし、外部との競争や衝突を恐れたり、内部の利益や権益を優先したりする危険性がある。 |
FBMオフィスが提供する事業創造コンサルティング
ファミリービジネス変革コンサルティング
ファミリービジネスの変革コンサルティングとは、新規事業の変更や修正に必要な組織やプロセスやルールの変革を支援するコンサルティングサービスです。具体的には、以下のようなt内容を提供します。
01ファミリービジネスの現状分析 | ファミリービジネスの経営環境や既存事業の状況、新規事業の目的や方向性、一族の理念や価値観などを分析し、新規事業に関する課題や機会を明らかにします。 |
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02ファミリービジネスの変革戦略 | 新規事業のビジョンや目標を設定し、それに沿った組織やプロセスやルールの変革の方針や計画を策定します。また、変革に伴うリスクやコスト、期間などを評価し、変革の優先順位や段階を決定します。 |
03ファミリービジネスの変革実行 | 変革戦略に基づいて、組織やプロセスやルールの変更や導入を実施します。また、変革の進捗や効果をモニタリングし、必要に応じて変革戦略を修正します。 |
04ファミリービジネスの変革評価 | 変革の成果や影響を測定し、新規事業の成長や競争力の向上にどの程度貢献したかを評価します。また、変革の過程で得られた知見や教訓を共有し、今後の新規事業創造に活用します。 |
ファミリービジネスの変革コンサルティングは、新規事業創造に必要な柔軟性を高めるために、ファミリービジネスに特化した変革支援を行うサービスです。このサービスは、ファミリービジネスの意思決定や執行力を活かした迅速かつ柔軟な変革を実現するとともに、一族内で意見が分かれたり、外部からのフィードバックを受け入れなかったりする危険性を減らすことができます。
新規事業創造の各種フレームワークを活用したコンサルティング手法
創発的経営戦略と意図的経営戦略の選択
意図的戦略
意図的戦略とは、事前に計画し推進される戦略のことです。将来を見越した目標や方針を明確にし、それに沿って組織やプロセスやルールを変革していきます。例えば、中長期の事業計画や新規事業計画などが意図的戦略にあたります。
創発的戦略
創発的戦略とは、予期せぬ機会や問題に対応する中で形成される戦略のことです。現実とのギャップを随時調整していき、最適な戦略を探索していきます。例えば、ホンダのアメリカ・オートバイ市場への進出や、エマージェント・ストラテジーと呼ばれる「戦略を持たない戦略」などが創発的戦略にあたります。
この2つの戦略には優劣はなく、それぞれ異なる目的や効果を持っています。そのため、経営環境や目標に合わせて、適切なバランスをとることが重要です。
伝統的な戦略立案フレームワークの活用
PEST分析
政治(P)、経済(E)、社会(S)、技術(T)という4つの視点から、自社の外部環境を分析するフレームワークです。将来的に新規事業に影響を与えるであろうマクロな要因を把握することができます。
3C分析
顧客(C)、競合(C)、自社(C)という3つの視点から、自社の事業環境を分析するフレームワークです。顧客のニーズや市場のポジショニングを正しく見極めることができます。
SWOT分析
強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)という4つの要因に分けて、自社の内部環境と外部環境を分析するフレームワークです。自社の戦略目標を設定するための基礎となります。
ポジショニングマップ
2つの軸によって市場を区分けし、自社と競合の位置関係を可視化するフレームワークです。自社の差別化要因や競争優位性を明確にすることができます。
新規事業のビジネスモデル構築フレームワーク
リーンキャンバスモデル
リーンキャンバスとは、ビジネスモデルを9つの要素に分けて1枚のシートで可視化するフレームワークです。リーンキャンバスは、スタートアップや新規事業において、顧客のニーズや価値観を理解し、それに合わせた商品やサービスを提供することで、新たな顧客を増やす活動の一つです。
顧客開発モデル
顧客開発モデルとは、新規事業の成功に必要な顧客のニーズや価値観を理解し、それに合わせた商品やサービスを提供することで、新たな顧客を増やす活動のことです。
ファミリービジネスのチームビルティング・プログラム
ファミリービジネスのチームビルディング・プログラムとは、ファミリービジネスの新規事業チームや部門間のメンバーを対象に、チームワークやコラボレーションを強化するプログラムを提供するサービスです。具体的には、以下のような内容を提供します。
チームビルディングゲーム
チームの意欲やコミュニケーション、リーダーシップスキルを育むために、さまざまなゲームやアクティビティを行います。例えば、2つの真実と1つの嘘1、ムードピクチャーズ1、ひと言ゲーム1などがあります。これらのゲームは、チームメンバーの個性や価値観、思い出などを共有することで、仲間意識や信頼感を高めることができます。
チームビジョンワークショップ
チームの目的や方向性、目標や役割を明確にするために、ワークショップを行います。例えば、3C分析2、SWOT分析2、ポジショニングマップ2、ビジネスモデルキャンバス2などのフレームワークを活用します。これらのワークショップは、チームの強みや弱み、機会や脅威、差別化要因や競争優位性などを把握することで、新規事業のビジョンや戦略を策定することができます。
チームフィードバックセッション
チームのパフォーマンスや成果、課題や改善点を評価するために、フィードバックセッションを行います。例えば、KPT法3(Keep:継続すべきこと、Problem:改善すべきこと、Try:挑戦すべきこと)やPDCAサイクル3(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Act:改善)などの手法を活用します。これらのセッションは、チームの成長や学習に必要なフィードバックを受け取ることで、新規事業の効果測定や改善策の発見に役立ちます。
以上のように、ファミリービジネスのチームビルディング・プログラムは、新規事業創造に必要なチームワークやコラボレーションを高めるために、ファミリービジネスに特化したプログラムを提供するサービスです。
このサービスは、ファミリービジネスの絆や信頼感を活かしたチームワークを高めるとともに、一族以外のメンバーの参画や評価に偏見が生じない公平なチーム環境を作ることができます。その結果、新規事業創造の成功率が高まります。
新規事業創造のご相談からコンサルティングの流れ
STEP 01
ヒヤリング
お電話・メール・来所していただき、ご相談内容をヒヤリングさせていただきます。
STEP 02
お打ち合わせ
お客様のご相談内容に合った解決方法を打ち合わせしていきます。
STEP 03
ご提案
打ち合わせ後、最も良い解決案をご提案させていただきます。ご提案後の実行支援・フォローアップも行います。